いま北海道では、その土地ならではの環境を色濃く映し出したナチュラルチーズが次々に生まれています。そんな、北海道でしかつくれないチーズを切るのに最適な、北海道の自然の豊かさを感じられるハンドクラフトのチーズナイフをつくりました。夏には緑がまぶしい牧草が広がる農場、冬には白銀の世界へと変わり凍りつく大地。時に厳しく、しかしながら私たちの暮らしに多くの恵みを与えてくれる、北海道が産み出した自然素材を用いた北海道生まれのチーズナイフです。
ナチュラルチーズが大好きで、自らチーズ工房を訪ね歩く木工デザイナー。今回、このナイフをデザインするにあたり、チーズ職人とともに様々なチーズをカットし、アドバイスを受け、北海道のチーズにとって使いやすい形状を目指して試行錯誤を重ねました。切れ味、刃の高さや厚み、ハンドルの形状、柄のカーブなど、白カビやウォッシュなどの柔らかいチーズから、セミハードやハードなどの硬質のチーズまで、北海道で生産される様々なナチュラルチーズを切るのに最適なカタチです。
※もちろん、北海道産以外のナチュラルチーズをカットするにも使いやすいナイフですが、極度に硬質で大きなチーズをカットするのには適していません(パルミジャーノタイプのチーズのかたまりを切る場合など)。
チーズナイフの刃は、「関の刃物」で有名な岐阜県関市で製造しています。関は、700有余年前の刀の製造に始まった、日本が世界に誇る刃物産地です。今では包丁・鋏・キッチンナイフ・爪切り・カミソリ・アウトドアナイフなど様々な刃物が作られ、アメリカ、ヨーロッパを始め世界各国にも製品が輸出されています。日本の伝統が受け継がれる刃物づくりの技が、ナチュラルチーズを切るのに適した“ほどよい切れ味”の使いやすいチーズナイフ作りを支えています。
足立唯 Yui ADACHI/木工作家 woodworker
1987年札幌生まれ。RandoNNeur〈ランドヌール〉の名で、木をメイン素材にしたブローチ、カッティングボードなどのキッチン小物を制作し、各種イベントや雑貨店にて販売中。
木工制作の傍ら、北海道の食を楽しむBar「BARCOM Sapporo(バルコ札幌)」にも勤務。ここでの生産者や飲食店との繋がりが、木工と食を繋ぐキーにもなっている。北海道チーズが好きで工房へ足を運び、近年は販売に関わることも。チーズはおやつに、つまみに毎日食べているとか。チーズプロフェッショナル協会チーズ検定「コムラード・オブ・チーズ」(2015.4)を取得。
http://adachicks.blogspot.jp/
川口 剛 Go KAWAGUCHI/企画・コーディネート planner
北海道の食を楽しむBar「BARCOM Sapporo(バルコ札幌)」、札幌の飲食店を食べ歩く催し「さっぽろタパス」、さっぽろオータムフェストでの「10mスタンディング・カウンターBar」や「北海道ナチュラルチーズ・マーケット」の企画・運営実施など、風土・環境を享受して生活を楽しむための多様な地域づくり事業に従事。
旅と食をこよなく愛し、スペインを中心に世界各地の「地域」を食べ飲み歩くなど、地域を表現する食環境に高い関心を持つ。
著書に『スペインのBARがわかる本〜グラナダ・バルの調査記録報告書』(2005/バルク・カンパニー刊)、『ワンテーマ指さし会話 スペイン×バル』(2011/情報センター出版局)。